三遊亭小遊三の師匠と弟子たちはどんな人?

落語

落語界の人気者、三遊亭小遊三(さんゆうてい こゆうざ)さん。

テレビでおなじみの笑顔の裏には、長年の修行と、三遊亭小遊三さんを支えた師匠や、三遊亭小遊三さんが育てた弟子たちとの深い絆があります。

今回は、三遊亭小遊三さんの師匠と弟子たちについて、こぼれエピソードを交えながらご紹介します。



三遊亭小遊三の師匠は誰?プロフィール・経歴

三遊亭小遊三さんの師匠は、三代目三遊亭遊三(さんだいめ さんゆうてい ゆうざ)さんです。

出典:婦人公論

遊三さんは1938年2月28日生まれの86歳。東京の下町・浅草の出身で、温かみのある語り口が特徴の落語家さんです。

 

三遊亭遊三さんは若い頃から才能を発揮し、21歳で前座になり、わずか9年後の26歳で真打に昇進しました。これって、当時の落語界ではすごいスピード出世なんですよ!

 

でも、遊三さんのすごいところは芸だけじゃありません。
弟子の育て方がとっても温かいんです。
三遊亭小遊三さんは、遊三さんのことを「兄みたいな存在」って言ってるんですよ。
遊三さんが三遊亭小遊三さんのことを、いかに親身になって指導していたかがわかるエピソードがあります。

 

三遊亭小遊三さんが大学生の時に、遊三さんの弟子になったんですが、最初は「大学を卒業してからね」って言われたそうです。遊三さんは「勉強して卒業する根性がないと、噺家(はなしか)は務まらないよ」って。

 

落語だけではない外の世界も意識しながら、自分の弟子のことを考えての発言だったのかな、なんて想像すると、素敵なお師匠さんですよね。

 

三遊亭遊三さんは三遊亭小遊三さんに対して、とっても寛大だったんです。例えば、2020年の婦人公論で特集された際の二人のこんなやり取りを見つけました。

小遊三 人間ドックに行ったら、検査の数値は師匠のが一番よかったんですから。師匠はお酒も飲みませんしね。

遊三 飲まないというか、飲めない。ちょっと飲んでも頭ガンガン、心臓バクバク。そのかわり、お前さんには俺の分まで飲んでいただいて(笑)。前座の頃からよく飲んでたね。毎朝うちへ来るとき、飲んだ翌日は目を合わさずに「おはようございます」。目が赤いのを見られるとバレると思ってだろうけど、その時点でもうわかっちゃう。(笑)

小遊三 でも師匠は「飲むな」とは言わない。寛大でしたよね。とにかく怒らない師匠で。

(引用:婦人公論)

 

当時の落語界では、こんな優しい師匠さんは珍しかったんです。多くの師匠は厳しい指導で知られていて、弟子に掃除や身の回りの世話をさせるのが普通でしたから。
でも、遊三さんはそうじゃなかった。

 

なぜ、三遊亭遊三さんがこんなに優しかったのか。それには、いくつか理由があるんです。
・遊三さん自身が寛大で怒らない性格だったこと。
・遊三さんの師匠である四代目三遊亭圓馬(さんゆうてい えんば)さんも同じように優しい人だったこと。
三遊亭遊三さんは、その優しさを受け継いだんですね。さらに、三遊亭小遊三さん自身も気遣いのできる人で、師弟関係がとてもうまくいっていたんです。

 

三遊亭ファミリーに脈々と受け継がれる寛大さ、寛容さについて知ったとき、私はとても温かい気持ちでひとり頷いてました。素敵ですとっても。
時代や伝統にも屈することなく、曲げることなく受け継がれた「優しさ」という文化が三遊亭一家にはあったんだと。

 

時代は本当に激動の、パワハラ当たり前の戦後/高度経済成長期の中で、伝統芸能の落語界ならそれはもうなおさらのはずなのに、三遊亭圓馬さん→三遊亭遊三さん→三遊亭小遊三さんとそれぞれ寛容に優しく弟子を見守るスタイルを受け継いできたことって、奇跡的というか、鳥肌がたつくらい稀有で素敵なことです(語彙力(笑)。でも素敵なことは素敵って言える自分でいたいんです!)。

 

ちなみに、三遊亭小遊三さんの名前の由来って、ご存知ですか?

実は、落語界では師匠の名前から一字もらって、その前に「小」をつけるのが、よくある弟子の名前の付け方なんです。

三遊亭小遊三さんの場合も、師匠の「遊三」から「遊三」をもらって、前に「小」をつけたわけです。

普通はこれが慣例なんですが、ここまでの温かい師弟関係を見ていると、もしかしたら特別な思いを込めて「小遊三」という名前をつけたのかな…なんて、つい想像してしまいますね。

 

でも、本当のところはわかりません。ただ、きっと互いへの敬意と感謝の気持ちは十分に込められているんだろうな、と思います。

 

ちなみのちなみですが、師匠である三遊亭遊三さんはまだまだピンピンされており、現在も高座に上がり熟練の噺を披露されています。


三遊亭小遊三の弟子 ー門下の個性豊かな弟子たちー

三遊亭小遊三さんは、今や落語界で尊敬される師匠の一人です。

三遊亭小遊三さんの下で学ぶ弟子たちは、それぞれに魅力的な特徴を持っています。弟子たちの個性と小遊三さんとの関係を見てみましょう。

 

  1. 二代目三遊亭圓丸(にだいめ さんゆうてい えんまる)さん(57歳)
    三遊亭小遊三さんの筆頭弟子として知られる実力者です。古典落語、特に人情噺に秀でており、聴衆を温かく包み込む語り口が特徴的です。小遊三さんは圓丸さんを「誇りに思う弟子」と評し、真打昇進時には盛大な祝宴を催しました。 その祝宴では小遊三さんが赤ワインを飲み過ぎて、トイレで倒れてしまったのだとか。弟子の成功を心から喜ぶ小遊三さんらしいエピソードですね。
  2. 六代目三遊亭圓雀(ろくだいめ さんゆうてい えんじゃく)さん(年齢非公表)
    他の師匠の門下から移籍してきた珍しい経歴の持ち主です。メディアでの活躍も目覚ましく、小遊三さんは圓雀さんの加入を「新たな風」と歓迎しました。圓雀さんの多彩な才能を高く評価し、「落語の枠を超えた活躍」を称賛しています。
  3. 三遊亭遊雀(さんゆうてい ゆうじゃく)さん(59歳)
    丁寧で繊細な語り口が魅力の落語家です。初めての大舞台に立つ際、小遊三さんは「楽しむことが大切」と励ましたそうです。小遊三さんは遊雀さんの情感豊かな表現力を「観客の心に響く」と高く評価しています。
  4. 三遊亭遊之介(さんゆうてい ゆうのすけ)さん(57歳)
    明るく軽快な雰囲気の持ち主で、新作落語にも積極的に挑戦しています。小遊三さんは遊之介さんの芸風を「若い世代にも親しみやすい」と評価。新作落語への挑戦を「革新的な姿勢」と称え、激励しています。
  5. 三遊亭遊馬(さんゆうてい ゆうば)さん(53歳)
    ユーモアセンス抜群の落語家として人気を集めています。エッセイストとしても活躍し、小遊三さんは「文章でも笑いを生み出す才能がある」と称賛。日常の些細な出来事を面白おかしく描写する能力に感心しているようです。
  6. 三遊亭遊喜(さんゆうてい ゆうき)さん(51歳)
    エネルギッシュな性格で、子供向けの落語会を積極的に開催しています。SNSでの人気も高く、小遊三さんは「デジタル時代の落語家」と評しています。遊喜さんの子供向け落語会や学校公演を「落語の未来を担う重要な活動」として高く評価しています。
  7. 三遊亭遊史郎(さんゆうてい ゆうしろう)さん(年齢非公表)
    若手ながら、伝統と革新のバランスが取れた落語で注目を集めています。受賞の際、小遊三さんは「これからが真価を問われる」と激励。遊史郎さんの古典落語への取り組みと現代的な解釈を「伝統と革新の調和」として評価しています。

 

このように、三遊亭小遊三さんの門下には多彩な才能が集まっています。
小遊三さんは弟子たちの個性を尊重し、それぞれの長所を伸ばす指導を心がけているようです。弟子たちの活躍は、落語界の明るく優しい未来を予感させますね。



三遊亭小遊三の師匠と弟子のまとめ

さて、ここまで三遊亭小遊三さんの師匠と弟子たちについてお話ししてきました。
改めて振り返ってみると、なんだかほっこりしませんか?

三遊亭ファミリーの魅力、まとめるとこんな感じです:

  • 小遊三さんは師匠から温かい指導を受けて成長
  • その教えを自身の弟子たちにも継承
  • 厳しすぎない、けれどもメリハリのある指導スタイル
  • 三遊亭家に根付く「優しさの文化」
  • 個性豊かな弟子たちの多様な活躍

三遊亭小遊三さんは、師匠の遊三さんから温かくて寛大な指導を受けて成長しました。
そして、その教えを自分の弟子たちにも受け継いでいるんです。
厳しすぎない、でも大切なことはしっかり伝える。そんな三遊亭小遊三さんの指導スタイルが、個性豊かな弟子たちを育てているんですね。

落語って、真面目な修行の世界というイメージがあるかもしれません。でも、三遊亭小遊三さんを中心とした「三遊亭ファミリー」を見ていると、笑いと温かさに溢れた世界なんだなって感じます。

 

私(筆者)ごとですが、私自身も弟子ではないけれども、3歳になる息子を育てています。
毎日くたくたです。でも、まだまだ何が常識で、どんなルールがあって、どんな関係性で社会はなりなっているのかを知らない息子に対して理不尽に怒ったり、怒鳴ったりはしないようにしてるんです。
息子が一番信頼できるはずの私くらいはいつも優しく・冷静に彼を見守り、大丈夫だよと言ってあげられる存在でいたいと毎日思いながら息子に接しています。
迷うことも多いけど、三遊亭ファミリーの優しさに触れた時、なんだかちょっとウルウルときてしまって(笑)優しいって本当に大切っていうか、すべてですよね、三遊亭小遊三さん!

 

もう三遊亭小遊三さんとその弟子たちの活躍から目が離せません。落語の世界って、本当に奥が深くて面白いですね。皆さんも、機会があったら落語を聴きに行ってみませんか?
きっと、新しい発見があるはずですよ。

私も、三遊亭小遊三さんの落語、一度生で聴いてみたいな。きっと、テレビで見る以上の魅力があるんだろうなぁ。皆さんも、ぜひ落語の世界に飛び込んでみてください。新しい笑いと感動が待っていますよ!

 

三遊亭小遊三さんはどんな人なのでしょうか。プロフィールはこちらで詳しくご紹介しています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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