俵万智のNHK短歌 6月の放送です!
大河ドラマ「光る君へ」とのコラボ!
第三回は、凰稀かなめ(おおきかなめ)さんがゲストです。
「光る君へ」では、赤染衛門を演じている凰稀かなめさん。
俵万智さんと凰稀かなめさん、そして、司会のヒコロヒーさんはどんな会話を繰り広げてくれるのでしょうか。
6月 NHK短歌「嫉妬」俵万智が選んだ入選歌は?
6月は「嫉妬はエネルギー」というテーマです。
投稿された歌の中から、特に俵万智さんが良いと思った歌をご紹介します。
それでは、俵万智さんが選んだ歌をご紹介します。
三重県大紀町 北村保
東京都三鷹市 今井マイ
俵万智解説:話題にしたいことで、恋人がいることがわかってしまう。クッキーの型を抜いたあとを見ただけで、どんな形を抜いたのかわかるように、話題にしないことでかえって浮き彫りになる、という表現が面白い。
和歌山県和歌山市 中村マコト
俵万智さんに解説してもらうことで、より深く短歌を味わえますね。
この歌はそういうことがいいたかったのか!と納得できます。
6月 NHK短歌 「やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月をみしかな」(赤染衛門)
今回、俵万智さんが「光る君へ」から選んだ歌は、百人一首にも採られている赤染衛門の歌です。
(万智訳)迷わずに寝ればよかった 気がつけば月を見送るためだけの夜
相手が通ってくるのを待っている。来るのか来ないのか、と迷っているうちに、朝になってしまった、という歌です。
これは、赤染衛門が姉妹にかわって詠んだ歌と言われています。
しかし、俵万智さんと凰稀かなめさんは、赤染衛門自身の体験もあるのではないかと感じています。
赤染衛門の実感がこもっているからこそ、名歌になっているのではないか、と。
赤染衛門の夫である、大江匡平(おおえのまさひら)は、他の女性のところに行ったきり、帰ってきません。夫を待つことに疲れた、という赤染衛門の体験が、この歌には反映されているのでは、ということなのですね。
平安時代は、通い婚という結婚システムでした。一夫多妻制でもあり、夫は本妻以外に妾を持っていたのです。妻は、夫が来るのを待つしかない、という立場。
嫉妬が生まれて当然の制度ですよね。
安倍晴明など陰陽師による「呪詛」なども行われていて、平安時代という時代は、特に貴族は雅な世界であると同時に、人間のネガティブな感情が渦巻いている世界だったのですね。
6月 NHK短歌 短歌づくりポイントは?
今月も、俵万智さんが、短歌づくりのポイントを二つ教えてくれました!
ひとつ目は。
ネガティブな感情もしっかり自分と向きあうことが大事。
作品になったことでマイナスの感情もプラスの土産を持って帰ってきた、となります。
短歌づくりのポイントの二つ目は。
君や来む我や行かむのいさよひにまきの板戸もささず寝にけり
万智訳:来る来ない行く行かないの十六夜に戸を開けたまま寝てしまったわ
来るのか来ないのか、行くのか行かないのか、考えているうちに、戸をあけたまま寝ちゃったわ。
という意味なのですが。
ただ「寝てしまった」ということだけでなく、その裏には「寝ないとやってられない、自分がみじめで」という思いがあるのかもしれません。
その言葉の裏を感じ取れるようになるといい歌が詠めるようになる。とドラマの中で赤染衛門が言っているように、それは現代の私たちが短歌を作る時にも言える事なのです。
続けて、俵万智さんは、人の歌を読めるようになると、つまり、人の歌を鑑賞できるようになると、自分でも短歌を詠めるようになると教えてくれました。
NHK短歌で、人の歌を読むようにすると、自然と自分でも歌を詠めるようになりそうですね。
6月 NHK短歌 ゲストは凰稀かなめ!
ゲストは凰稀かなめさん。
役者である凰稀かなめさんは、舞台などで役作りをする上で、演じていない時にもその人間関係に目を配り、感情を作る作業をしています。
演じることは、観察することであり、体験することであり、表現すること。
それは、短歌を作る時のステップと似ていますよね。
5月の玉置玲央さんもそうでしたが、演じることと歌を詠むことには、共通点がいくつもありそうですね。
6月 NHK短歌 放送日は?再放送は?
放送日:6月9日日曜日
放送時間:午前6:00~6:25
放送局:NHK Eテレ
再放送:6月13日木曜日
再放送時間:午後2:10~2:35
また、放送後一週間は、NHKプラスで見逃し配信が楽しめます。
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6月 NHK短歌「嫉妬」まとめ
・放送日は6月9日日曜日
・ゲストは凰稀かなめさん(赤染衛門)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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