荒汐部屋の大波三兄弟とは?若隆元、若元春、若隆景!BSフジでドキュメント放送!

相撲力士

荒汐部屋の大波三兄弟は、大相撲界でも、大変注目されています。

一番の出世頭だった若隆景を襲ったアクシデント、大関へのプレッシャーを受ける若元春、関取を目指して奮闘中の若隆元。

その四股名の由来となった、毛利元就の3人の息子の人生にも重ねてしまう、大波三兄弟の活躍を多くの相撲ファンは温かいまなざしで応援しているのではないでしょうか。

私もそのひとりです。

 

BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」で放送された内容も含め、荒汐部屋について、大波三兄弟:若隆元、若元春、若隆景について、ご紹介します。

【荒汐部屋】大波三兄弟が所属する部屋はどんな部屋?

荒汐部屋は15人の力士と1人の行司、2人の床山が所属する部屋です。

詳しくご紹介しましょう。

 

所在地:東京都中央区日本橋浜町2-47-2

アクセス:都営地下鉄新宿線 浜町駅 徒歩3分

師匠:八代荒汐(前頭2枚目 蒼国来(そうこくらい)モンゴル出身)

 

15人の力士のうち、関取経験力士は、3人です。
・若隆景(わかたかかげ)
・若元春(わかもとはる)
・荒篤山(こうとくざん)

 

部屋の成り立ち:2002年、七代荒汐(元小結 大豊(おおゆたか))が時津風部屋から独立。

部屋の特徴:角界で唯一、稽古場がガラス張りで外から見学することができるんです。

部屋の拡大:女将がウェブサイトで、部屋での力士たちの日常を発信したことで、新弟子が増えていきました。なんと、15人の力士のうちの半数以上が、荒汐部屋の公式ウェブサイトをみて、入門を決めた(2023年7月現在)、というのでウェブサイトでの発信が成功したといえますね。

公式ウェブサイトを運営している相撲部屋はたくさんありますが、荒汐部屋のウェブサイトの特徴はなんといっても「荒汐日和」でしょうね。

 

「荒汐日和」というのは、福島モンタさんという漫画家が、荒汐部屋の力士たちの日常を漫画で紹介するものなんです。

漫画で、力士たちの表情や性格を上手に表現しているので、荒汐日和を読むだけで、その場にいるような気になれます。

 

「荒汐日和」を読めば、所属する部屋を探している、未来の力士たちにとって、どんな部屋なのか、どんな先輩力士たちがいるのか、イメージしやすいのは間違いないですね。

新弟子が増えるというメリットもありますし、漫画家さんが定期的に取材に訪れるので、開かれた部屋の雰囲気も保たれるのではないかと思います。

これは、力士たちにとっては大事なことですね。

荒汐部屋の一日は?相撲界の序列とは?

相撲部屋の一日は朝6時から。

AM6:00
新弟子がじょうろで水をまきながら、土俵を整えます。
乾いていても、湿り過ぎていても滑るという土俵を、足のうらでその湿り具合を確認しながら水を撒きます。

AM7:30
稽古開始。大部屋で共同生活をしている、幕下以下の力士が稽古を始めます。

AM8:30頃
十両以上の関取が稽古に参加。十両以上は住居を構えることができるので、自宅から部屋へやってきます。

AM10:00

朝食時間。鍋とおかず数種類が用意されます。力士は食べることも仕事のうち。ちゃんこ鍋とおかずと共に山盛りどんぶり飯も!見ているだけでお腹がいっぱいになります。
朝起きたらまずは稽古。しっかり動いたあとなので、きっとご飯も美味しいですね。

 

相撲部屋の朝のスケジュールをみても、その階級によって分けられていることがわかりますね。

相撲界の序列とは?

階級による違いをご説明しましょう。

幕内・十両 幕下・三段目・序二段・序ノ口
給料 月110万円 なし
呼称 関取 力士養成員
居住 個室又は持ち家 大部屋
廻しの色
ちゃんこ当番 なし あり
掃除当番 なし あり
風呂に入る順番
髷を結う順番

十両になれば、待遇が全く変わってくるので、幕下上位の争いが熾烈になるのも頷けますよね。

 



【荒汐部屋】大波三兄弟の家族構成は?

大波三兄弟は祖父は、元小結 若葉山父は、元幕下 若信夫という相撲一家に生まれました。

若葉山の次女である、文子さんが、力士だった若信夫と1993年に結婚、三兄弟が誕生しました。

 

祖父の若葉山は、日本相撲協会を定年退職した後、名古屋市で「ちゃんこ若葉山」をオープン。1989年から1997年まで、8年間営業を続けました。

 

父の若信夫(大波政志)は、義父 若葉山の経営する「ちゃんこ若葉山」で、板前として働いた後、福島へ移住し、会社務めしますが、1998年に会社を退社。福島市に「ちゃんこ若葉山」を開店しました。

お店が開店すると、両親はお店にでるので、兄弟三人でいる時間が多く、そんな時に長男が弟二人の面倒をみていました。

子供の頃から、若元春、若隆景にとって、兄の若隆元は特別な存在だったのですよね。

【荒汐部屋】大波三兄弟は仲がいい?!

出典:BSフジ 「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」

若隆元は小学4年生で相撲を始めましたが、若元春、若隆景も同じように相撲を始めました。

若隆元が荒汐部屋に入門すると、若元春、若隆景も荒汐部屋へ入門しました。

 

兄貴が選ぶものは間違いない。兄貴と一緒にいたい。

とふたりの弟は思っていたのではないか、と私は推測します。

 

若隆景は若隆元についてこのように話しています。

常に隣でサポートしてくれてたし、頼れる兄っていう存在。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」 )

 

若元春は若隆元についてこのように話しています。

何も知らない時から全部教えてくれてた存在ですし、やっぱ兄貴が居たからここまで相撲がんばってこれた。もうちょっと自分でしっかりしなきゃいけないとこはあると思う。兄貴に頼りっきりになっちゃってるところがある。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」)

若元春は三兄弟の真ん中なので、弟であり兄である、という部分で、長男である若隆元に頼りっぱなしで、自分も兄として自覚を持たなくては、という意識があるのがわかりますね。

 

三兄弟は、それぞれ特徴を称え合っているのも印象的ですね。

長男 若隆元が次男 若元春について、「トレーニングしなくてもどんどん強くなってる」
長男 若隆元が三男 若隆景について、「下半身が低いまま、上半身が柔らかく動かせる

次男 若元春が長男 若隆元に対して、「勤勉なところ」
次男 若元春が三男 若隆景に対して、「負けん気と闘争心が強い」

三男 若隆景は、わんぱく相撲で全国大会に出たことがない、ということが兄に対する劣等感のようになっていました。それが負けず嫌いの性格に拍車をかけているのでしょうね。

 



【荒汐部屋】大波三兄弟の四股名の由来は?

大波三兄弟の四股名は、「三本の矢」で有名な毛利元就の3人の息子の名前にちなんで、師匠が名づけました。

長男は、毛利隆元より、「若隆元(わかたかもと)」

次男は、吉川元春より、「若元春(わかもとはる)」

三男は、小早川隆景より、「若隆景(わかたかかげ)」

「若」の字は、祖父の若葉山と父の若信夫からとっています。


【荒汐部屋】大波三兄弟の三男「若隆景」

大波三兄弟の三男 若隆景をご紹介しましょう。

出典:BSフジ 「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」

本名 大波渥(おおなみ あつし)
生年月日 1994年12月6日
身長 182㎝
体重 132kg
最高位 東関脇
初土俵 2017年3月場所
入幕 2019年11月場所

食が細くて、なかなか太れない体質で、子供の頃から体が小さかったという若隆景。小学6年生の時の、兄 若元春と比べてみると。

若元春:163㎝ 86kg
若隆景:150㎝ 40kg

これだけの体格差があったのですね。

当然、試合で勝つのも難しく、中学卒業するまでは、全国大会に出場しても初戦敗退することも多かったのです。

高校三年生の時に、世界ジュニア相撲大会で団体優勝するなど、結果を出せるようになりましたが、体が小さかったため、高校卒業後に角界入りはせず、大学へと進学しました。

2人の兄は高校卒業後に、大相撲界に入っていますので、兄たちとは違う道に進んだことになりますね。

大学に進学したことで、若隆景は大相撲へと道がつながっていきました。

大学在学中に、数々の大会で優勝などの成績を収めたことで、「三段目最下位格付出」の資格を得られたのです。

序ノ口、序二段は免除で三段目からスタートできたことで、スピード出世できたのですね。

 

三兄弟の中で一番最初に十両に昇進したのが、若隆景でしたが、2023年3月場所で「前十字靭帯断裂と半月板損傷」の大ケガを負ってしまいます。

そこから治療とリハビリを続け、11月場所で土俵に戻ってきた時には、番付は幕下まで落ちていました。

幕下になると、家族と離れて、共同生活に戻ります。毎月のお給料もなくなります。廻しの色も「黒」になります。十両以上の関取とは全く別の待遇なのです。

 

2024年1月場所では、見事に幕下優勝したので、3月場所では十両に戻れることになりました。家族の元にも戻れますね。よかったです。

若隆景の強さは、相撲の上手さはもちろん、その精神力にあると私は思います。大怪我を負った琴ノ若戦。すでに右足は大怪我の状態でしたが、なんと「物言い」がついて、取り直しになってしまったのです。相撲をとれる状態ではなかったと思いますが、表情ひとつ変えず、見事に琴ノ若に勝ちました。相撲取りとしての責任を果たすんだ、という気迫を感じました。

 

若隆景については、こちらの記事でもご紹介しています。
https://nihonbunka.net/wakatakakage-wife-2122

 



【荒汐部屋】大波三兄弟の次男「若元春」

大波三兄弟の次男、若元春をご紹介しましょう。

出典:BSフジ 「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」

本名 大波港(おおなみ みなと)
生年月日 1993年10月5日
身長 187㎝
体重 145kg
最高位 西関脇
初土俵 2011年1月場所
入幕 2022年1月場所

若元春は、子供の頃、三兄弟の中で一番運動神経が良かったといわれていますが、相撲は嫌いで、稽古も嫌いだったとか。

それでも、天性のセンスの良さがあったことと、体が大きく、筋肉質だったことで、良い成績も残しています。

高校時代には、3年連続でインターハイに出場し、3年生の時には東北大会で準優勝しました。

高校生だった時に、東日本大震災で被災。その時、兄が所属していた荒汐部屋で一か月避難生活を送りました。その時、とてもお世話になったので、その恩返しの意味もあり、荒汐部屋に入門することに決めました。

 

2011年に荒汐部屋に入門し、一年後には幕下にあがった若元春でしたが、その後、6年間も幕下にいることになります。

出世できる

と周囲から期待されながらも、突き抜けられない十両の壁。

幕下上位の争いはし烈だと若元春は語ります。

あと一番であがれる。あと一番であがれない。

みんな必死になるんで。そういう空気感が伝わってきますし。そういう空気感に当てられるときつくなってくる。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」)

幕内上位の争いを突破することがなかなかできなかった若元春が、十両にあがることができたのは、弟の若隆景が十両に昇進したことがきっかけでした。

誰よりも稽古をし、翌年、念願の十両に昇進することができました。

 

幕下でもがいた6年間があるから、若元春は兄 若隆元の苦悩もわかるのでしょう。

自分でもきっかけってのは、本当に少しのところ。他愛ないことだったんで。少しでも気付きになればって思いますよね。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」)

2023年夏に行われた福島での夏合宿で、若元春が兄 若隆元に胸を貸していた理由、それは、兄が幕下の争いを突破するためのヒントを自ら得ることができたら、という願いがあったのです。

道を拓くのは自分。

言葉ではなく、行動で示す、その若元春の姿と必死に食らいつく若隆元の姿に胸が熱くなりました。

若元春についてはこちらの記事でもご紹介しています。
https://nihonbunka.net/wakamotoharu-yome-1327

 



【荒汐部屋】大波三兄弟 長男 若隆元

大波三兄弟の長男、若隆元についてご紹介しましょう。

 

本名 大波渡(おおなみ わたる)
生年月日 1991年10月29日
身長 183㎝
体重 122.9kg
最高位 東幕下7枚目
初土俵 2009年1月場所

若元春と若隆景は、よく取っ組み合いのケンカをしますが、若隆元とケンカをすることはありませんでした。若元春と若隆景は年子ですから、兄弟というよりは、友達のような感覚だったのかもしれません。やんちゃな弟二人も、長兄には一目おいていたということが分かりますね。

 

若隆元は18歳で入門してから15年間、大部屋の住人です。

弟二人は関取として活躍する中、若隆元は幕下でもがき続けています。

2024年2月現在、32歳。

力士としての生涯はそう長くはないかもしれません。

それでも、若隆元は「辞めたあと、どうするか」は全く考えてないと言います。

なぜなら。

本気で応援している人たちたくさんいるんで。

自分も相撲だけを今は本気で現役のうちはがんばっていきたい。次のこととか考えず。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」)

 

そう、若隆元を応援しているファンはたくさんいるんですよね。

若隆元もそれをとても良く分かっているのです。

だから、今できることを精一杯する。全力で。

 

頸椎ヘルニアと頚椎症で2023年11月場所を休場し、2024年1月では番付を三段目に落とした若隆元ですが、ここでもファンの方々の応援が支えとなりました。

応援してくれる人がいるから頑張れてる。恩返ししたいなって気持ちで今がんばってる。

(引用:BSフジ「独占密着300日 大相撲・荒汐部屋」)

 

そして、ファンだけではありません。父もまた、

弟たちに追いつきますよ

と断言します。そう、「史上初 三兄弟同時関取」は父親の夢でもあるのですよね。

周囲の期待は、若隆元にプレッシャーとなっているのかもしれませんが、それでも願わずにはいられません。

「史上初」が大事なのではなく、力士として一人前といわれる十両になる若隆元の悲願を、ぜひ達成してほしい、と。

若隆元についてはこちらの記事でもご紹介しています。
https://nihonbunka.net/wakatakamoto-marriage-2109

 



【荒汐部屋】大波三兄弟のまとめ

まとめです。

・荒汐部屋は、15人の力士、1人の行司、2人の床山が所属しています
・荒汐部屋の大波三兄弟は、祖父、父、ともに力士の相撲一家です
・大波三兄弟の四股名の由来は、毛利元就の3人の息子にちなんでいます
・大波三兄弟の長男は、若隆元
・大波三兄弟の次男は、若元春
・大波三兄弟の三男は、若隆景
・大波三兄弟は、史上初の兄弟三人での同時関取を目標としています

 

最後までお読みいただきありがとうございました。


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