2024年名古屋場所(7月開催)の大相撲で、解説者がしきりに言っていた「角番(かどばん)」。
「角番の大関 貴景勝」とも言っていましたね。
当たり前のように使われている「角番」について、どこよりもわかりやすく解説しています。
「角番」を過去に経験した力士についてもご紹介しています。
最後までゆっくりお読みくださいね。
角番とは?
角番(かどばん)というのは、大相撲において、大関から関脇に陥落する状態のことを指します。
具体的に説明しますね。
大関は「勝ち越す」ことでその地位を保つことができます。
一年に6回ある本場所は、それぞれ15日間の取り組みがありますので、8勝すれば、勝ち越しとなります。
もし、7勝しかできず負け越してしまった場合、その次の本場所で「角番」となります。
ちなみに、怪我などで、休場した場合にも、次の本場所では「角番」となります。
本場所に出場し、「勝ち越し」をしないといけないんです。
15戦のうち8勝だから、それほど難しくないのでは?
大関だし。
と思われがちですが、大関ですと、対戦相手は当然、番付上位の力士ばかりなので、みんな強いんです。
もちろん、大関は横綱の次に強い力士なので、「強くあってほしい」という意味もあり、その地位を保つためには勝ち越しをしなければならない、というのは当然といえば当然ですよね。
横綱には、負け越しても「陥落」という制度はありませんが、横綱を名のるからには、勝ち越し以上、いえ、優勝をするくらいの力がないといけないんです。
番付によって、求められるものが違う、というのは当然ですよね。
ちなみに、新聞などでは「カド番」と記載されますね。
これは「角」だと、「つの」とか「かく」と、読者が読み間違える可能性があるから、と言われています。確かに、新聞には読み仮名はついてないので、読み間違える人はいそうですね。
角番になるとどうなる?
角番になった本場所で、勝ち越さないと、大関から陥落し、次の場所では関脇となります。
角番となった大関は、なにがなんでも勝ち越さないと大関に残ることはできません。
逆にいえば、勝ち越しさえすれば、つまり、8勝すれば、大関に残ることができます。
これを、「角番脱出」と言います。
15日間の取組で、初日から8連勝すれば、8日目には「角番脱出」となり、そのあと7日間の取組は全部負けても問題はありません。
とはいえ、初日から8連勝することはまれで、勝ち越しは終盤までもつれこみ、角番大関にとっては、非常に緊張感のある場所を過ごすことになるのです。
角番大関が陥落!救済措置があるってホント?
角番大関が本場所で負け越し、関脇に陥落した本場所では特別な救済措置があります。
特別措置とは
というものです。
通常、関脇が大関に昇進するための条件は
・直近3場所で33勝以上していること
と言われています。
と言っても、「大関昇進の条件」を日本相撲協会が明示しているわけではありません。
日本相撲協会は数字だけでなく、相撲の内容を加味して総合的に判断しているようですが、いずれにしても、簡単に達成できる数字ではありませんね。
それに対して、大関から陥落した場所での救済措置は、かなり達成可能な目標のように感じます。
では、もし、大関から陥落し、関脇で臨んだ本場所で10勝できなかったらどうなるのでしょうか?
ほかの力士同様、地道に大関の地位を目指していくことになります。
長い道のりが待っている、ということですね。
横綱 照ノ富士は、関脇どころか、怪我と病気で序二段まで番付を落としたことがあります。
そこから、這い上がり、今は横綱として活躍しています。
どの番付からでも復活することは可能です。
相撲には大きな怪我はつきものですよね。
怪我やその他の理由で番付をさげた経験のある力士は、
・宇良・朝乃山・友風・炎鵬・若隆景
などたくさんいます。
彼らは、幕内にもどってきましたし、炎鵬は一年以上のリハビリを経て、2024年名古屋場所で、序ノ口から土俵に復活しました。
きっと、炎鵬は幕内に戻ってきてくれると、私は信じています。
角番を経験している力士はだれ?
現役力士で、角番を経験した力士をご紹介します。
力士名 | 角番回数 | 特例措置で復帰 | 2024年7月番付 |
貴景勝 | 10 | 一回 | 大関 |
照ノ富士 | 5 | なし | 横綱 |
正代 | 5 | なし | 平幕 |
髙安 | 3 | なし | 平幕 |
霧島 | 2 | なし | 関脇 |
朝乃山 | 2 | なし | 平幕 |
御嶽海 | 1 | なし | 平幕 |
貴景勝は、これまでに10回も角番になっていますが、そのほとんどの場所でカド番脱出しています。
その貴景勝も、2024年名古屋場所(7月開催)では、負け越しが決まってしまい、次の東京・両国での9月場所からは関脇となります。
この場所では、特別措置が適用されますので、前出のように10勝すれば、次の11月場所では大関に戻ることができます。
私はここでひとつ心配していることがあります。
貴景勝は最近、首の具合がよくなく、途中休場することもありました。
もしかして、関脇に陥落したら、引退するのではないか、と私は感じてしまいました。
2024年現在、九重親方として活躍している千代大海は、関脇に陥落後に引退していますし、元大関 豪栄道も関脇に陥落した後、引退しています。
私としては、貴景勝の迫力ある突き押し相撲が大好きなので、まだまだ土俵上で貴景勝を見ていたいのですが。
今後の成り行きを見守りたいと思います。
そして、2024年名古屋場所で、大関から関脇に陥落した霧島は、特別措置が適用されていましたが、基準を満たすことができませんでした。
霧島は、関脇から再出発となりました。
霧島の強い相撲で、また、大関に復帰してくれることを、私は期待しています。
角番のまとめ
・角番とは、その場所で負け越すと大関から関脇に陥落すること
・角番を脱出するには、8勝(勝ち越し)が条件
・大関から関脇に陥落した場所では、大関復帰のための特別措置がある
10回の角番を経験している貴景勝はどんな力士なのでしょうか。こちらで詳しくご紹介しています。
貴景勝を支えている奥さんはどのような方なのでしょうか。こちらで詳しくご紹介しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント